スノーケリングやダイビングで注意してほしい海の危険な生物。

茨城や千葉、神奈川の海水浴場でサメが泳いでいるところが発見され、
その海水浴場が遊泳禁止になったりしている。

「サメ=海で最も危険な生物」

このように思っている人が多いが、

そもそも、数百種類いるサメの中で、
人を襲うようなサメは、ほんの数種類しかいない。

関東で見つかっているサメ(アカシュモクザメなど)は、
こちらから無理に追いかけたり、攻撃しないかぎりは、
ほとんど被害を遭うことは無いに等しい。

それよりも、もっと気を付けなければならない生物が、
海には存在しているということを是非とも知ってほしい。

今回は、もっとも身近でもっとも危険な海の生物を紹介しよう。

~サメより怖い!海の危険な生物~
その1:カツオノエボシ

「カツオノエボシ?何それ??」と思われた方も多いと思うが、
カツオノエボシはクラゲの仲間で、三浦半島や伊豆半島など広く存在する。

触手に強力な毒をもち、刺されると強烈な電撃を受けたかのような激痛がある。
患部は炎症を起こして腫れ上がり、痛みは長時間続く。
二度目に刺されるとアナフィラキシー(アレルギー反応の一種)を起こし、
場合によっては、ショック死する危険性がある。

昔は【お盆を過ぎたらクラゲが発生する】などと言われていたが、
今では海水温の上昇の伴い、5月ごろから見られることもある。
沖縄では似たような【ハブクラゲ】という危険なクラゲがいるので、

海水浴やスノーケリングで海に入るときには、
ウエットスーツやラッシュガードで肌の露出部分をなくすと共に、
クラゲが漂っていないかどうかを確認してもらいたい。

 

~サメより怖い!海の危険な生物~
その2:イモガイ

イモガイとは、イモガイ科の貝類の総称。
日本だけでも約120種類ほどいて、
沖縄や和歌山、伊豆や千葉などで広く生息する。

一見、「この貝のどこが危険?」と思うかもしれないが、
口の中には吻があり、その先端には毒を含んだ銛(もり)がある。

その銛(もり)に含まれる毒は、かなり強い神経毒で、
刺された魚や貝類はその毒で即死するぐらい。

国内に生息するイモガイの中で、一番毒性が強いといわれるのが、
アンボイナ】というイモガイで、その体内には、
人間30人を死に至らしめる量の毒を保持していると言われている。

楽しいはずの貝拾いが、思わぬ事故にならないように、
ぜひとも気を付けてもらいたい。

 

~サメより怖い!海の危険な生物~
その3:オニダルマオコゼ

体調は30~40cm程度で、カサゴを丸くしたような形をしている。
背ビレは鋭く尖っていて、先端には強力な神経毒を含んでいる。

刺されると患部は腫れ上がり、場合によっては死に至ることもある。

この生物の厄介なところは、比較的浅い水深に生息し、
砂や泥の中に体の半分を埋もれさせるなど、見つけづらい状態が多い。

そのため、海に入った時に、間違えてオニダルマオコゼを踏んでしまい、
刺されてしまったという事例がいくつか報告されている。

スノーケリングやスクーバダイビングを行う際には、
ブーツ着用は必須!浅瀬などを歩くときには注意が必要である。

また、このオニダルマオコゼは、伊豆や三浦半島ではほとんど見られない生物で、
とくに沖縄や奄美地方、小笠原などに行ったときには気を付けてほしい。

 

このように、海にはあまり知られていない
死に至るかもしれない危険な生物が存在している。

ただし、その生物の側からしてみたら、
そこにただ存在しているだけで、自ら攻撃してくることは稀。

自らを守るための【防衛的行動】にすぎない。

その生物から受けるかもしれない怪我は、
私たちが気を付ければ、そのほとんどを回避することができる。

あくまで、『海の世界にお邪魔している』という気持ちを持って、
海を安全に楽しんでもらいたい。