皆さんは、この“間違い”がお分かりだろうか?

世界のリゾート(ビーチ)を紹介する深夜番組。
録画して観るほど、好きな番組のひとつ。

情報収集という意味合いもあるが、何よりも
綺麗な海を見ると、心から癒される。

さて、下の画像は、とある回のワンシーン。

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番組の中では、毎度のように出てくるシーンではあるが、
今回はちょっと皆さんに考えていただきたい。

そこには、『綺麗な海だね~♪』では済まされない
“大きな間違い”が潜んでいることにお気付きだろうか?

そもそも【シュノーケリング】という言葉が間違いです。

多くの方が当たり前のように使っている【シュノーケリング】という言葉。
ご覧のように、この番組でもこの言葉が使われていますが、
そもそも、【シュノーケリング】という言葉は間違いなんです。

口に咥えるものは《スノーケル》あるいは《シュノーケル》と呼ばれるが、
《スノーケル》は英語で、《シュノーケル》はドイツ語。

英語である《スノーケル》を元にスノーケリングというなら分かるが、
ドイツ語である《シュノーケル》に、進行形のINGを付けるというのは、
言葉的にいかがなものか。(ドイツ語+英語=和製英語?)

注)こちらのブログ(HP)でも、シュノーケリングという言葉を使っていたりするが、
スノーケリングという言葉より、シュノーケリングという言葉を検索する人が
あまりにも多いので、あえてこの言葉を使用している。あしからず。

意外と分かっている人が少ない「スノーケリングの定義」

さて、言葉の間違いは一先ず置いといて。

ここで皆さんに一番知っていただきたいことは、上の写真は、
そもそも【スノーケリング(シュノーケリング)ではない】ということ。

日本スノーケリング協会では、
「スノーケリングとは、マスク・スノーケル・フィン、それから
浮力体(ウエットスーツやスノーケリングジャケット)を身に付けて
水面で行うもの」という説明をしている。

上の写真を見ていただくと、マスク・スノーケル・フィンだけを
装着した女性が、水の中へ潜っているように見える。

浮力体を身に付けていない時点でスノーケリングではないし、
なにより“潜る”という行為は、息こらえを必要とするので、
ダイビング(スキンダイビング)に分類される。

さらに番組では、
《地元の人は、素潜りでどれくらい潜れるのか?》
ということを紹介していたが、そのシーンではこんな表示が。

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《安易に模倣すると潜水病になる恐れがあります》

この表示を見たときに、正直「???」となってしまった。

普通、「潜水病=減圧症」と考えてしまうのだが、
それは圧縮空気を使って呼吸をするスクーバダイビングの場合であり、
“スキンダイビングで潜水病”となれば、中耳や副鼻腔が水圧によって
影響を受け、障害が出てしまったりすることを言っているのか、
はたまたそうではないのか、視聴者に何を注意喚起しているのか、
この表示では、正直言ってよく分からない。

きっと、“作り手”もよく分かっていないのだろう。

「プールの監視員が泳ぎを教えてくれなかった」って言いますか?

OSCで開催しているスノーケリング教室にご参加いただいた方から
こんな言葉をよく耳にすることがある・・・

「海外に行ったときに、現地でスノーケリングツアーに参加したら、
 ボートで海のど真ん中に連れて行かれて、ポイントに到着するなり
 マスクとスノーケルだけ渡されて、器材の使い方も何一つ教えてもらえず、
 足のつかない海で、ただただ怖い思いをしました・・・」

そもそも、海外のリゾートでは、
「海に遊びに来てるんだから、当然泳げるんでしょ?」という
考えを持っているところが多く、マスクやスノーケルも
《練習しなくても誰にも簡単に扱えるもの》と思っているところが多い。

スノーケリングツアーと言っても、サンゴ礁などにボートで連れて行き、
スタッフは海に入っているゲストをボート上から監視だけをするだけ。

日本人の感覚からしたら「なんで教えてくれないんですか?」となるが、
海外の感覚でいえば、【プールの監視員になんで泳ぎを教えてくれないんですか?】
と聞いているのと同じで、あくまで指導者ではなく、監視者という立場らしい。

安全に楽しむために必要な知識と技術を身に付けよう!

たしかに、スノーケリングは誰にでも手軽に楽しめるものです。
しかし、そのスノーケリングを安全に楽しむためには、
“必要な器材は何か?必要な技術は何か?”を知ることだと思います。

必要な器材は上でお話ししました。あとは、今のあなたに合った技術を
予め習得してからスノーケリングに行かれることをオススメします。

綺麗な海での思い出が、素晴らしいものになるために・・・。

 

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