スノーケル選びのポイント

今回は、スキンダイビングを始めるときに揃えたい基本装備の一つが「スノーケル」です。(スノーケルとシュノーケルはどちらも同じ意味です)マスクと同様、水中での快適さや安全性を左右する重要なアイテムですが、実際にお店やオンラインで探してみると様々な種類があり、どれを選んでいいか分からない方も多いですよね。そこで、今回は初心者向けにスノーケル選びのポイントと注意点を分かりやすく解説します!

1. スノーケルの基本構造を知ろう

スノーケルは主に「パイプ部分(チューブ)」「マウスピース」「排水弁(排気バルブ)」で構成されます。チューブは空気の通り道で、水面に顔を付けながら呼吸ができるよう長さや形状が工夫されています。マウスピースは口にくわえる部分で、素材や形状によって快適性が変わります。排水弁(排気バルブ)付きのスノーケルなら、内部に入った水を簡単に排出でき、初心者でも扱いやすいです。

2. スノーケルの種類

全体的な構造は、大きく分けて「J字型」と「ジャバラ型」の2つがあります。

・J字型
アルファベットの「J」の形をしていて、とてもシンプルな構造です。排水弁がないものや、チューブの先端にガードがついているものもあります。また、先端に逆止弁がついているタイプ(ドライスノーケルという名前がついている)もあります。

・ジャバラ型
マウスピースに近いパイプ部分がジャバラのようになっていて、スノーケルを使用しないときはマウスピースに口元に来ないので邪魔になりません。こちらも先端に逆止弁がついているタイプもあります。
※下記の写真の先端についているものはカバーで、逆止弁(ドライスノーケル)ではありません)

「J型スノーケル」(GULL カナール2)

「ジャバラ型スノーケル」(GULL カナールドライSP)

3. 選ぶときのチェックポイント
①どのシーンで使用するか

上記でお話しした2つのタイプを比較したときに、まずはスノーケルをどのシーンで使用するかを考える必要があります。
「J型」は、常にマウスピースの部分が口元にある為、マウスピースを咥えやすくなります。また、初心者に起こりがちな【口からマウスピースが外れてしまう】という事故も軽減されます。このことから、「J型」は、スノーケリングやスキンダイビングに適していると言えます。
「ジャバラ型」は、マウスピースを常に意識して咥え続けていないと、口からマウスピースが外れてしまいます。使用目的が一時的なことから、「ジャバラ型」はスクーバダイビングに適していると言えます。(スノーケルを咥えていないとマウスピースが口元に来ない為、レギュレータが咥えやすくなります)

②排気弁は必要か

マウスピースの下部分にある排気弁ですが、結論から言うと「絶対あったほうが良い」です。スノーケル内に水が入ってしまったとき、その水をスノーケルの外に排出する際に(スノーケルクリアと言います)、排気弁があったほうが楽に排出することができます。ネットには排気弁なしの安価なスノーケルが出回っていますが、スノーケルに関して言えば「安価=初心者向き」では無いと思ってもらって間違いないです。ちなみにですが、私が使用しているスノーケルは、排気弁が2つ付いてます。

③ドライスノーケルは良いのか

スノーケルの先端部分に逆止弁がついているタイプ(通称ドライスノーケル)ですが、こちらも結論言うと「スキンダイビングをしたい(水中に潜りたい)のであれば逆止弁が無いタイプが良い」です。それは何故か。逆止弁があるスノーケルを使用して水中に潜った際に、先端についている弁が閉まることでスノーケル水が入らないという構造なのですが、実は何度も潜る行為をしていく中で、たまに「誤作動」が起こることがあります。その誤作動というのが、「逆止弁が閉まりっぱなしになる」というものです。するとどうなるか。水中から水面に上がると、本来なら開くはずの逆止弁が開かずに、呼吸ができない(息が吸えない)状態に陥り、結果スノーケルを外してしまうことで水を飲んでしまったり、場合によってはパニックになってしまうこともあります。水中に潜らずに水面で楽しむスノーケリングなら、たまに波しぶきが掛かることがあっても逆止弁があることで、スノーケル内への水の侵入を防ぐことができるかもしれませんが、水中に潜るスキンダイビングを楽しみたいのであれば、逆止弁が無いタイプを強くお勧めします。

④メンテナンスも重要

使用後は真水でチューブ内外をよくすすぎ、とくに排気弁に砂などが詰まっていないか確認する必要があります。(詰まっていると使用中にマウスピース内に水がはいってきます)マウスピースは歯磨き粉などで軽く洗ってから陰干しすると良いでしょう。塩分や汚れが残るとゴム部分の劣化が早まるため、こまめのメンテナンスが長持ちの秘訣です。


まとめ

スノーケルの選び方は、初心者にとっては意外に難しいポイントが多いかもしれません。しかし、使用したいシーンや上記のポイントを抑えるだけで、自分に合ったスノーケルがグッと探しやすくなります。ただ、最高のスノーケル選びができたとしても、そのスノーケルに慣れていなかったら快適さが半減してしまいます。とくにスノーケルクリアのやり方は必ず覚えてほしいスキルのひとつです。海を楽しむために、海に行く前に事前にインストラクターと一緒にプールなどで練習をしておきましょう。

■講習会スケジュールを確認する
https://reserva.be/oscyoyaku